まるでお花が咲いたように、美しいリモージュ焼きのアンティークカップです。これは最も大切にしていたコレクションです。 リモージュ焼きは、1768年にフランス、リモージュ近郊で発見されたカオリナイトの恩恵によって始まりました。貧困層が多い街は、一気に多くの住人が、新しく始まった窯業とそれに関連する産業に従事しました。起源は1771年とされています。 こちらはヨーロッパで入手したものですが、1860’s、1870’sの家内工業で親子や家族で絵付けしていた時代のものだそうです。ソーサーの裏には、手書きで« peuit à la main » ( 手作りの意味) と絵付をした人により記されています。 リモージュ焼きの特徴は、19世紀後半からは、素焼きに絵付けをして焼くのではなく、白い生地に絵付けしてからさらに焼き付けるという手法です。描かれた柄が、カップの内側から透けて見えるほど薄いのも特徴です。 今までに出会ったカップで、一番美しいと思っています。枝のような持ち手、カップの底まで繊細なデザイン、そして絵付の素晴らしさ、直近で見ると凝った彩色の素晴らしさ、光に透ける柄、それらと共に、痩せた土地だった貧しい街に花開いたフランスを誇るリモージュの陶芸の歴史に思いが馳せます。 #リモージュ焼き #アンティーク